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岩井 保則; 山西 敏彦; 林 巧; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 48(1), p.456 - 459, 2005/07
被引用回数:3 パーセンタイル:24.17(Nuclear Science & Technology)既存の触媒酸化吸着除去方式雰囲気トリチウム除去プロセスへの気体分離膜を用いた膜分離プロセスの付加は、大容量雰囲気ガス処理を必要とする核融合プラントには魅力的である。このため、ガス分離膜による雰囲気からのトリチウム分離に関し、その分離機構の解明と工学設計への適用を目的とした静特性及び動特性コードを開発してきた。本報告では膜分離の新しい概念である還流膜分離を提案する。中空糸膜による膜分離の駆動力は膜を介した目的成分の分圧差であるので、透過側ガスの一部を供給側に還流することで意図的な駆動力の向上を見込むことができる。今回の検討で得られた主な結果は、(1)還流には駆動力の向上という正の効果と、還流による供給流量の増加という負の効果であり、よって還流比には最適値がある,(2)トリチウム回収には透過側圧力値が強く影響する,(3)高い透過係数を有する成分ほど還流の効果が顕著となるが、トリチウムガスとトリチウム水は他の空気構成成分より高い透過係数を有することからトリチウム回収に還流膜分離は適している。また、還流膜分離は高価な膜分離モジュールの規模低減効果も見込め、さらにトリチウム除去システム全体のコスト改善への貢献も期待できる。